環境地盤工学に関するイメージ

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一般社団法人 環境地盤工学研究所(RIEG: Research Institute for Environmental Geotechnics)は平成26年(2014年)6月に創設されましたが、足掛け10年を経て、正会員162名、特別会員8名、法人会員61団体を擁するまでになりました。このたび京都大学百周年時計台記念館国際交流ホールにて、設立記念式典を令和6年3月22日(金)に盛大に祝うことが出来ました。10周年を無事迎えることが出来ましたことは、ひとえに会員各位の甚大なご支援ご鞭撻の賜物であると深く感謝しております。

当法人では、環境地盤工学に係る広範な話題の普及と諸問題の解決に取り組み、結果として地盤環境の保全に貢献することを中心テーマに掲げて活動して参りました。特に若手研究者の研究支援に重点を置き、環境地盤工学分野の若手研究者の創出に努めております。これまでに22名の方に研究助成することが出来ました。助成を受けた皆さんは素晴らしい研究成果を獲得され、それぞれのご所属組織で主導的な活躍をされておられ、その結果として重要な社会貢献へと繋げて下さっています。大変心強く助成した側としても嬉しい限りです。

また、講演会としてRIEGフォーラムを8回、新春特別講演会を1回開催し、見学会も3回実施して産官学連携拡大にも尽力しています。さらに、毎年通常総会を開催して年度ごとの活動報告をしている他に、総会時にあわせて「環境地盤工学研究会」として、関係分野の有識者を招聘して特別講演をしていただいており、同窓生各位や環境地盤工学研究者との交流の場を提供しています。

人類の生存の基盤は紛れもなく地盤ですから、「環境地盤工学」が対象とする学問分野は極めて幅広いものと捉えて、地盤に関わる環境問題をすべて解決するための学問が「環境地盤工学」であるとして、多種多様な課題解決に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

令和6年は元旦に能登半島地震、2日の羽田空港でのJAL機炎上という大災害、大惨事で始まりましたが、ロシアのウクライナ侵攻やハマスのイスラエル侵攻とその報復の連鎖が止まりません。世界は分断の時代に入ったとされます。しかしながら、温暖化による気候変動が地球環境を揺るがしている現在、世界人類は手を携えて課題解決に立ち向かわねばなりません。このままでは国連の2030年SDGs達成は望むべくもないでしょう。2050年カーボンニュートラルの達成目標に向けて、土木技術者、特に環境地盤工学者の役割は極めて大きいと言えるといえます。

これを担うべき我がRIEG会員の年齢構成には高齢化の兆し見えておりますが、定年後の人生の在り方として、各自の自由な意思による生きがいの獲得こそ大切です。誰もが良い仕事をしたいと願っておられると思いますが、そこにこそ確かな充足があると確信しています。地球社会の保全のために、他者と自己との繋がりを深化させることによって、持続的な仕事をはじめて完遂することが可能になると考えます。カーボンニュートラルに向けて、各自がやれるところから積極的に取り組みましょう。

メンバーの高齢化については若手会員を増やすことと、女性会員数が7%程度に留まっておりますことも課題です。環境地盤工学に関わる課題解決には女性の視点からの取組みが必須ですので、多くの女性会員を獲得することが出来ればと願っている次第です。

RIEG会員各位の益々のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。

令和6年3月末日

一般社団法人 環境地盤工学研究所 理事長 嘉門雅史